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[小説] ワイルドブーケ 想いを綴る花の名は (駒尾真子)【一迅社文庫アイリス】

2009/01/03 23:59
 姫とメードの逃避行。


ワイルドブーケ 想いを綴る花の名は

駒尾真子 イラストレーション◆甘塩コメコ

一迅社文庫アイリス



 そもそも恋心って何?、と思ふ少女達のお話。

『序幕』
 最初にして最大の壁にぶち当たる少女2人旅。

『学問と書物の町』
 流れ着いた町の食堂兼宿で住み込みで働き始めるジョーゼットさん、デェリアナ様は色々な意味で働かせられず(笑)。働く食堂の娘さんから、町で流行ってると言う「禁書」の噂を聞いたり、変わり者の家への出前を引き受ける事になったり。

『恋愛学者』
 出前先で自称・恋愛学者のベルガモさんに根掘り葉掘り聞かれてしまうジョーゼットさんですが、次々に投げ掛けられる聞き慣れない恋愛用語に「?」の連続、自分がデェリアナ様に対し「恋」をしているのか今一つ判然としない事に気付いたり?。そんなジョーゼットさんですが、夜はデェリアナ様と体を拭き合ったり同衾したり、胸は高鳴り放しなのでした。

『少女の情熱』
 ジョーゼットさんが働いたり学者の質問攻めに遭ってる頃、働く事の出来ないデェリアナ様は町の図書館で読書、意外に本の虫?。そんなデェリアナ様の美しさに、司書のコリーダさんが一目で虜になってしまいますが、デェリアナ様は華麗に傍若無人。一方のジョーゼットさんはベルガモさんの語る「恋愛」が自分に当て嵌まるのか相変わらずピンと来ませんが、逆に質問し返してみたら学者は予想外に狼狽したり?

『シラノの行先』
 お使い中に道に迷い教会で道を聞こうとしたジョーゼットさん、神官(?)のミス・ルーシーさんと話していたら、前巻で逃亡をアシストしてくれたシラノさんと再会、教会は稼業のアジト?。ジョーゼットさんとデェリアナ様は、司書が学者を嫌ってる(?)様子を目の当たりにしたり。コリーダさんから自作の恋愛小説を借りたデェリアナ様、暇つぶしにはなりましたが、物語の中で描かれている恋愛感情には感情移入出来ず?

『口唇』
 恋愛学者にキスについての講釈を聞くジョーゼットさん、ベルガモさんの冗談(?)が司書さんとの修羅場を引き起こしますが、ジョーゼットさんとデェリアナ様は思わず初めての経験に至り、蕩ける様な感覚と熱くなる体温と。一方、司書さんは自らが描く綺麗な恋愛感情と自分の中に存在する綺麗ではない気持ちのギャップに戸惑っていたり、町では禁書を流布していた容疑で恋愛学者が捕まってしまう事態になっていたり。

『ローリ・ポップの最終章』
 禁書の本当の作者と、捕まった容疑者の奪還作戦。恋愛学者が研究をする本当の理由を知った司書さん、2人の仲はメデタシ?。一方、ジョーゼットさんとデェリアナ様はシラノさんの作戦で奪還と替玉と泥棒と堂々退場、ジョーゼットさんの大立ち回りやデェリアナ様の威風堂々で、作戦成功でメデタシ?

『終幕』
 町を出る決意をするジョーゼットさんとデェリアナ様、ジョーゼットさんがありったけの勇気を振り絞り唇に想いを込めて、続く?

 そんな感じで、絶賛逃亡中(?)な姫とメードの物語の続き。お金に困るのはお約束?、ジョーゼットさんが有能なメードだったお陰で職にありつけましたが、デェリアナ様は働く能力云々以前に美貌で目立ち捲ってしまうのが先ず難点?、今後の旅路もどうなる事やら。
 今回は学問都市(?)で一騒動、恋愛学者が研究する訳や、恋愛小説家が虚構と現実の恋愛感情のギャップに戸惑う姿が、興味深く感慨深い限り。またそんな2人の影響から、禁じられていた為に知る由も無かった「恋愛作法」(?)を徐々に知って行くジョーゼットさんとデェリアナ様の様子も面白い。言わば「ありきたり」な恋愛感情の表現や例えにもピンと来なかったり、逆にそれまでは考えもしていなかった言葉や行為で良くも悪くも高揚してしまったりと、本当に恋について何も知らない2人が、色々な状況で見せる表情・心境の変化が新鮮で初々しく微笑ましい限り。そしてそれらの経験や知識の蓄積から、お互いへの想いが何なのかを一歩一歩確認しながら、気持ちが更に膨らみ溢れて行く様子が実に素敵でございました。
 それにしても、件の法律は施行から長くてもせいぜい十数年位しか経ってないと思うのですが、恋愛の彼是を若い世代が殆ど知らない様子なのが、ちょっと驚き。因習の改造と情報統制(てかほぼ焚書?)の効果って絶大だなぁと思いつつ。
 今回も事件の顛末と言うか処理の仕方は、若干乱暴と言うか優雅なゴリ押しと言うか(笑)、ドサクサで仕事するシラノさんと良いパートナーシップ?(えー)。兎にも角にも、2人が絆を深め、一組の百合カップルが結ばれ(?)、メデタシ?。今後も、ジョーゼットさんとデェリアナさんの関係の進展に、行き着いた町の百合カップルの恋の行方が絡む展開ですかね?、特に二人の関係の発展と深化は実に楽しみでございます。物語が長らく続いて欲しいと思う反面、2人が逃避行せずに済む世の中になって欲しいとも思いつつ。





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[小説] ワイルドブーケ 花の咲かないこの世界で (駒尾真子)【一迅社文庫アイリス】

2009/01/02 23:59
 恋が禁じられた世界の物語。


ワイルドブーケ 花の咲かないこの世界で

駒尾真子 イラストレーション◆甘塩コメコ

一迅社文庫アイリス



 美姫と女中。

『序章』
 恋を禁じる法律が成立・施行され、少女達は国が定める相手と結婚するしか無くなった国のお話。

『遠くから来た姫君』
 お城で働くメードのジョーゼットさんの日々の様子と、運命の出会い。離婚した両親に置いて行かれたジョーゼットさんですが、義姉で近衛兵長のソレイユさんや、同僚のモニカさん・ローラさん、庭師の少女・ササさんに囲まれ元気に仕事に励む日々。そんなジョーゼットさんが、王の妃になる為に城へやって来たデェリアナ様のお世話役になりますが、姫のあまりの美しさとその美貌に似つかわしくない言動に、色々衝撃を受けつつ。

『つまらない人』
 その美貌と人柄でたちまち城中で話題のディリアナ様、お世話をするジョーゼットさんは嬉しくて堪らない様子ですが、「結婚」と「法律」についての話から、姫につまらない人と言われ落ち込むメード。食事を食べないディリアナ様の為に姫の故郷のパンを一緒に焼くジョーゼットさん、姫は女中に少し心を許してメデタシ?

『咲く権利』
 仲良くなったのも束の間、部屋に飾った花を取り換えようとして姫の逆鱗に触れてしまうメードの巻。姫の本心に気付き心の一端に触れ、一緒に居ると楽しいと告げるジョーゼットさんと、初めて外見以外を人から求められたような気がして、それまで閉じ込めて来た感情の一端を吐露させるデェリアナ様と。

『籠の小鳥の見る夢』
 姫とメードの仲睦まじい様子が次第に噂に。ジョーゼットさんとデェリアナ様が、城の庭奥深くにある東屋で宛らプロポーズのような約束を交わし、心の欠片を交換し合ったり。

『咲かざる義務』
 王と姫の結婚予定が急遽前倒しされ、今まで感じたことの無い不安定な気持ちに苛まれるジョーゼットさんと、再び心を殺してしまうデェリアナ様と。自分の気持ちが「恋愛」のソレだと教えられたメードは、約束を決行しようと決意?

『白い花と黄色い花』
 国の宝を盗むの巻。全てを捨て、全てを敵に回し、2人の少女が愛しい人と手を取り合い消えて、続く?

 そんな感じで、恋を禁じられソレが何かを知らないまま生きている少女達の物語。「恋」のデフォルトが基本・百合なのが素晴らしい(笑)。特徴は何と言っても、戦争やらで人口が激減して男の数も減ったが為の強制結婚法の存在、生めよう増やせよと直接は言ってませんが、国の管理で男に主導権のある相手選びやら、離婚の禁止やら、要するにそう言う事?
 そして更に少女達にとっては、それがもはや「常識」となってしまっている訳ですが、それまではその「当たり前」を疑いもしなかったごく普通のメード・ジョーゼットさんが、その常識をキッパリと否定している姫とふれあう内に、最初は理解できなかった姫の言葉に影響され、徐々に自分もその常識とソレがもたらす結果を受け入れられなくなって行く様子が、実に興味深い。逆に、法を拒絶しながらもソレから逃れられないこともまた理解しているが為に、自分の心を最初から殺してしまっているデェリアナ様が、ジョーゼットさんとのふれあいを通じて、自分の中から溢れる気持ちを抑えられなくなってしまう姿も、切なくも素敵でした。
 勿論、主役の2人以外にも沢山の人達が登場。ジョーゼットさんの姉は妹を優しく見守るが故に、道を踏み外させまいと立ちはだかったり、庭師の少女は気さくな想い人に想いを告げられないまま後押ししてしまったり、2人の恋路をサポートする謎の女性の真の目的、等々等々。基本、登場人物全体に百合な雰囲気が漂うのは、男性が少ない(らしい?)からでしょうか?、故に出来た悪法とすれば、百合好きには実に痛し痒しな世界。
 そんなこんなで、結末はよく上手く行ったなぁと思いつつ(笑)、お話としては愛を貫き一つのハッピーエンド?。反面、今後を考えると途方も無い苦難と苦労が待ち受けている事は火を見るより明らかな訳で、2人の行く末が気になって仕方ないですが。2人が恋の逃避行をする内に、各地の百合カップルに刺激を与え、それが国中に大きなうねりを起こし巨大な運命と対峙して行くのかなぁ(?)と思いつつ。今後の展開も本当に楽しみなので、是非とも末永く続けて行って欲しい作品です。





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  1. ワイルドブーケ 想いを綴る花の名は
  2. ワイルドブーケ 花の咲かないこの世界で

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